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大数の法則と仮説検定 [数学]

確率論は多くのことを教えてくれます。

その中でも重要な定理の一つ、大数の法則

多くの試行を繰り返せば、理論上の確率と実際の頻度は一致するという
ことが数学的に証明されています。

この法則は非常に強力なもので
一言で言ってしまえば、長期的に見れば
結果は実力どおりになるということを物語っています。

ビジネスや株式投資などにこの考え方は応用されています。

またスポーツの世界でも、

例えば野球が9回まであるのも
サッカーが90分を闘うのも、
短い時間ではたまたまな要素が左右するかもしれないが
長い時間では両チームの実力が結果となって現れるだろう、
という考え方に支えられているということができるでしょう。

そうすると
運は関係ないのか、人生やっぱり実力なのかという結論に飛びつきそうになります。

大数の法則という数学上の原理からいうとYesです。

しかし、運を実力と判断してしまうのが人間のサガです。

もちろん運は偶然ですが、いいことでも悪いことでも特に続いて起こると
実力と誤解しまいます。

実際のところこれは確率のゆらぎでしかありません。

短期間では何もわからないのです。

ですから、ささいな短期的事象に一喜一憂せず実力を信じてやり続けるというのが
大数の法則が教える戦略ということになります。

しかし何をもって実力と判断するのか、というと長期的な結果としてしかわからないという
パラドックスに陥ります。

つまり長期的に結果が出たからこれが実力だ、出なかったから実力はなかった、という判断しか
出来ないことになります。

短い人生、こんな悠長なことは言ってられない。

ではどうするのか。

統計学に仮説推定という方法があります。

偶然を前提とした場合、ほぼ起りえないことが起こったら
偶然でない、今の文脈でいうと実力ということになります。

例えば、イカサマでないかと疑われているサイコロがここにあるとしましょう。

このサイコロを3回ふって同じ目が続けて3回出ました。
もし普通のサイコロであればその確率は約2.8%です。

仮説検定では5%に満たない場合それはあり得ないと判断します。
ですのでこの場合このサイコロはイカサマだと判断されます。

このような方法で運と実力を判断していくのが統計的アプローチになります。

このような定量判断はいつもできるとは限りませんが
考え方だけでも知っておけば自分を客観視する目がひとつ出来上がると思います。


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タグ:統計
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