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白い巨塔 [ドラマ・お笑い]

私は白い巨塔が大好きだ。

合理主義者の財前はいつも手段を選ばず目的に突っ走る。

教授選編では教授になるために、
裁判編では裁判に勝つために。

表向き財前についている者もすべて利己主義者だ。

鵜飼も財前もお互い己の利益のために相手を利用する。

財前の義父や妻すらも己の名誉のために財前を応援する。
そのためには金は惜しまない。

また医局員たちも己の立場を守るため
財前にごまをすり続ける。

味方などいない。みな敵なのだ。

財前のしたたかさを利用することを覚えたこれらの登場人物
がみな根本的に利己的であるところが見ていて爽快だ。

また財前に刃向う者も当然存在する。
代表格が直属の教授である東だ。

とは言っても東も人格者であるわけでない。
財前が自分の跡目を継ぐことが感情的に我慢ならない、これまた利己主義者だ。

そして東に与する他の教授陣も
自らの教室のため、利己的に財前と戦う。

たった一人の人間が目的を達成するために
これほどの人物たちが隠しきれない利己心を抱え利害の衝突を繰り返すその様は
何度見ても飽きないほどだ。

しかし、敵でも味方もない利己的でない人物が一人いる。

財前とは正反対の性格を持つ同期の里見だ。

そして、唯一財前が心を許していたのがこの里見だった。

もちろん財前は味方に対してもその利己心に意識的だったが
財前はそれをまさに利用していたのだからwin-winの関係だった。

しかし里見だけは利用できなかった。

財前の論理体系にはいてはならない人物だったにもかかわらず
そんな里見を唯一友達と認めていたのが(もちろん口にはしないが)
人間のパラドックスを表出している。

ただし白い巨塔の醍醐味はやはり人物たちの利己心の衝突に軍配があがる。

まあネタバレはしてませんので
まだ見ていない人はぜひ一度見てください。


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